元理系大学生の簡単図作成log

PowerPoint、Inkscape、Blenderを用いた図作成の方法を紹介します。

Inkscapeのタイルクローンとは|周期構造を簡単に描ける【グラフェンを描こう】

Inkscapeで同じ図形をきれいに並べたいとき、
いちいちコピペして位置を調整するのは大変ですよね。

そんなときに便利なのが「タイルクローン」機能です。
これは、ひとつの図形を自動的に複製して、規則的に並べる機能
行や列の数、間隔、ずらし具合などを設定するだけで、
周期的なパターンや構造をワンクリックで再現できます。

この記事では、タイルクローンの基本的な使い方を、
グラフェンを題材に解説していきます。

🎯 この記事の目標

  • タイルクローン機能の基本操作を覚える

  • 規則的なパターンを自動で作れるようにする

  • 応用として、グラフェン風の周期構造を描く

 

目次:

 

タイルクローンとは?

「タイルクローン」とは、
1つのオブジェクトを元にして、自動的に規則的な並びを作る機能です。

クローン(clone)は“コピー”に似ていますが、
「元の図形とリンクしている点」がポイント。
元を編集すれば、すべてのクローンも自動的に更新されます。

つまり、周期的なパターンを試行錯誤するときにぴったりなんです。
設定を変えるだけで、格子構造・結晶構造・タイル模様など、
さまざまな配置を一瞬で再現できます。

 

六角形と炭素原子を描こう

まずはグラフェンの基本単位となる「六角形」と「炭素原子(円)」を描きます。

  1. 多角形ツール(星マークのツール)を選びます。

  2. 画面上部の設定バーで、辺の数を6 にします。

  3. ドラッグして六角形を描きます。

このとき、Ctrlを押しながらドラッグするようにします。

これにより、頂点の方向が12時/2時/4時/6時/8時/10時の方向を向いた正方形を簡単に描くことができます。

 

設定は以下です(寸法を変えると後のクローンの設定に影響します)。

 

幅:20 mm

高さ:23.094 mm(幅と高さの間にある鍵マークを有効化した状態で、幅を20 mmに変更すると勝手にこの値になります。縦横比をロックする機能です。)

フィル:塗りなし

ストローク:単一色(#000000)

ストロークのスタイル:幅0.4 mm

ストローク幅を変えると全体の寸法も変わってしまうので注意。何回か交互に変えていればいつかこの値になります。

 

次に、炭素原子を表す円を描きましょう。

  1. **円ツール(Eキー)**を選択

  2. 小さな円を作る

  3. 六角形の6つの頂点に円を配置します

 

設定は以下です。

幅・高さ:4 mm

フィル:単一色(#000000)

ストローク:塗りなしか、単一色(#000000)

 

整列には スナップ機能をONにしておくと、頂点にぴったりくっつきます。

右上の◁で有効化できます。

 

スナップ機能の使い方はこちらで紹介しています。

kasei0730.hatenablog.com

 

六角形+原子をグループ化しよう

1つの「単位構造」ができたら、六角形と炭素原子をすべて選択して、
Ctrl + G でグループ化します。

これで、「ひとつのセル」として扱えるようになります。
このグループをタイルクローンで並べていきます。

 

 タイルクローンで周期構造を作ろう

① クローン作成メニューを開く

グループ化した単位構造を選択した状態で、メニューから
「編集 → クローン → タイルクローンを作成」 を選択します。
設定ウィンドウが開きます。

② 設定してみよう

単位構造を「ずらして」並べたいので、「シフト」タブに移動します。

ます以下のように設定してみます。

 

  • 行数:10(単位構造の行数、任意でOK)

  • 列数:10(単位構造の列数、任意でOK

  • 水平シフト(行ごと):50%

  • 垂直シフト(行ごと):-25%

 

「作成」をクリックすると適用されます。

円なし、正六角形のみだとこれで綺麗なハニカム構造を描くことができます。

今回は円のサイズ分ずれてしまっているので、調整していきます。

 

自分で水平シフト、垂直シフトの数値を適当にいじって「作成」を押しながら挙動を見てみてください。

水平シフトは左右にずれるので、値を小さくすることで左側にずれていきます。

垂直シフトは上下にずれるので、値を小さくすることで上側にずれていきます。

行ごとは、下の行に進むごとにずれていく、列ごとは右の列に進むごとにずれていく、という意味です。

説明を見るより実際に動かしてみた方が理解が進むと思います。

 

今回は以下のような設定に落ち着きました。

 

  • 水平シフト(行ごと):41.5%

  • 水平シフト(列ごと):-17.0%
  • 垂直シフト(行ごと):-36.0%

 

Inkscapeでタイルクローンを使ってハニカム構造のグラフェンを描く

タイルクローンの設定完了

 

黒い六角形と炭素原子が周期的に並び、
グラフェンのような美しい構造が完成しました!

行列数を増やせばコピペを繰り返さなくてもどんどん数を増やせます!

また、元となった単位構造を編集することで一気に色や大きさを変更できます。

まっすぐ並んだ格子構造を作るだけでも、
「対称性」や「周期性」を直感的に理解できるのが面白いところです。

 

まとめ

  • タイルクローンは「同じ図形を自動で並べる」便利な機能

  • 六角形+円をグループ化して並べると、周期的な構造を簡単に作れる

  • 理系モチーフ(グラフェンや結晶)にもぴったり

Inkscapeで少し遊びながら、
周期構造の美しさを感じてみてください✨